ウクライナとの交流を続け、11月に亡くなったバレエ学校の校長を悼み、ウクライナのバレエ団が公演を行いました。

 幻想的な雪の世界で華麗に舞うダンサー。来日した「ウクライナ国立バレエ」です。京都市のバレエ学校の校長で11月に86歳でなくなった高尾美智子さんを追悼しました。

 京都市がウクライナの首都・キーウと姉妹都市となった縁もあり、高尾さんは1975年、現地の国立バレエ学校と姉妹校提携を結びました。生徒同士の交流や合同公演の開催など、バレエを通し半世紀にわたってウクライナと日本の架け橋となっていました。

 団員から「京都のお母さん」と慕われていた高尾さん。3年前、ロシアによる軍事侵攻が始まった際には…

 (寺田バレエ・アートスクール 校長 高尾美智子さん ※当時82)「ウクライナの人たちはとても心が温かくて、戦争なんて絶対に嫌な人たちです。こういうことが起きるのは信じられないし、あってはならないことだと」

 開戦後もウクライナからの避難者をサポートするなど活動を続けていましたが、11月9日、平和が訪れることを願い続けながら、京都市内の病院で亡くなりました。

 そして今、美智子さんの願いや紡いできた絆は、ウクライナ国立バレエで芸術監督をつとめる息子の寺田宜弘さんに引き継がれています。

 (ウクライナ国立バレエ・芸術監督 寺田宜弘さん)「いつもバレエ団の団員たち、そしてバレエ学校の子どもたちが来ると、『私はみんなの京都のお母さんだからいつでも待ってますよ』と半世紀言い続けたんですね。たくさん蒔いてくださった種を大きくして、すばらしい花を咲かせたい。芸術の力で世界を平和にしていきたい」

 来年1月15日には、ウクライナ国立管弦楽団と合唱団による追悼公演が、京都市の京都コンサートホールで行われます。