東京都で新築住宅への「太陽光パネル設置義務化」の条例が成立しました。賛成・反対以前に、そもそも知らない人も多い中で、義務化の対象住宅、お金、CO2削減効果について解説します。

■小池知事「カーボンハーフにつなげる」自民党「判断材料が不十分」

井上貴博キャスター:
既に東京都では“太陽光パネル義務化”条例は可決されました。

小池百合子都知事は12月7日、「建物が集積する東京の屋根を最大限活用し、2030年カーボンハーフ(=温室効果ガス半減)の実現につなげていく」と述べています。その活用の方法が、太陽光パネル設置の義務化です。

2025年にスタートの方針で、対象は大手住宅メーカーなど50の事業者。延べ床面積2000㎡未満・一戸建て住宅を含む新築の建物が対象です。
都内で1年間に新築される建物(約4万6000棟)のうち、半数が対象の見込みです。

都議会自民党は“太陽光パネル義務化”に反対しています。都議会自民党・柴崎幹男議員は「義務化だけを先に決める条例案に賛成できない。現段階で事業の是非を判断する材料が十分にない」と述べています。
住宅というのは大変重要な財産なので、その財産にいきなり設置義務化するというのは、おかしいのではないか?そもそも議論する上での材料が乏しすぎるという意見です。

■実際の効果ほぼゼロ?反対論相次ぐ

井上キャスター:
太陽光パネル義務化のそもそもの実効性はどのくらいあるのでしょうか?
東京都の担当者は、12月12日の都議会・建設委員会で、「太陽光パネル義務化によるCO2(二酸化炭素)削減量は年間10万トン」としています。
これを全体で見た時に、都議会自民党・柴崎幹男議員は「CO2削減効果は東京都の目標値(=2639万トン)の0.4%」と指摘しています。

12月6日、実際に大学教授らが「義務化」反対の会見を行いました。その際に、「東京都で太陽光パネルを設置しても、気温降下に対する効果は0.000X℃(室中義博技術士試算)で、ゼロに等しい」ということを発表しています。
レジ袋有料化のときと同じように、全体から考えると、太陽光パネル義務化を行っても、CO2削減効果というのは、ほぼゼロに近いのではないかということが、議題になっています。