中国側「威圧」を狙い照射した可能性も
「訓練は事前に知らせた」という中国と、「断続的なレーダー照射自体が問題」だとする日本。論点はかみ合わないままです。
航空自衛隊で戦闘機のパイロットなどを務めた武藤茂樹・元空将は、中国機と自衛隊機の距離から照射の必要があったのか疑問を呈します。

武藤茂樹・元空将
「報道によれば1回目は約50km、2回目は約150kmくらいの距離で(照射が)行われたと。この距離は、戦闘機が近づいているとはいえ、目で見えていて急速に近づいてこなければもっと距離が近くなっても危険ではない」
さらに、戦闘機に近づく時でも、レーダーは使わないといいます。
武藤茂樹・元空将
「自衛隊は電波を、こういう形で断続的に照射はしませんし、戦闘機のレーダーを使っては近づかない。地上のレーダーサイトの目標情報、指示に基づいて近づいていく。(戦闘機のレーダーを使うと)緊迫度を上げるし、安全に近づくためには、使わないで近づくのが原則」
その上で、武藤さんは、照射の危険性と中国側の意図について、こう指摘します。

武藤茂樹・元空将
「今の新しいレーダーは、捜索もしながら追尾できるという能力を持っている。そういうレーダーの断続的な照射が、30分にわたって行われたのは非常に危険な行為。攻撃される可能性を含んでいる。鉄砲で言えば、引き金に指をかけているような状況の可能性。相手の意図は断定できないが、威圧するような行為だった可能性も」
中国軍機がレーダー照射を行った狙いはどこにあったのでしょうか。














