広島市中区にある基町アパート。このうち中層の16棟を廃止することを広島市が明らかにしました。基町地区では、中央公園などの再整備も計画されていますが、アパートの跡地利用を巡ってさまざまな期待の声が聞かれました。
広島市が10日公表した「市営住宅マネジメント計画」の素案によりますと、基町アパートのうち中層の16棟、438戸が廃止される予定です。16棟はいずれも築60年以上が経過し、老朽化が進んでいました。現在の入居者は基町高層アパートに転居してもらう方針です。
中層棟の住民
「娘から『こんな記事が出とるよ』メールで教えてもらい知った。前から廃止になりそうな雰囲気はあったので、まあそうかと」
「市からの説明はなく、テレビで見るだけ。解体はしょうがないよね、崩れたら大ごとになるので」
中層棟は2035年度までに解体する方針で、都心の一等地に約2万平方メートルの広大な跡地が生まれることになります。跡地はどのように活用されるべきなのか。エディオンピースウイング広島の前にある広場「HiroPa」を訪れていた人に聞きました。
▽遊べる施設を
「子育て中ということもあり、せっかくエディオンピースウイング広島というコミュニティが広がりそうなコンテンツもあるし、遊べるような施設が増えてくれたら嬉しい」
▽高齢者が憩える場所を
「人口が減っているのに建物を建ててもしょうがないから、どちらかというと、基町団地に多く居る高齢者たちが憩えるような場所が増えれば良い」
▽キャンパス誘致を
「若い人の県外流出がいま叫ばれているじゃないですか。街中の大学キャンパスとかにしたら、優秀な人が集まるのになと。そうしたら多分、広島市で一人暮らししてそのまま働く人もいるのかな」
広島市の担当者は10日、市議会の建設委員会で跡地について「国有地なのでまずは国に返還する」としたうえで、「エリアにふさわしい事業となるように、国と協議していきたいと考えている」と説明しています。
土地を所有している中国財務局は「広島都心部のまちづくりに貢献できるよう、広島市の意見を踏まえて対応したい」と話しています。
基町アパートの周辺では、他の建物も大きく変わる予定です。

▽ファミリープールは来シーズンで営業を終了します。そして、子どもたちが通年で楽しめる施設に生まれ変わります。
▽こども文化科学館は現在地でリニューアル。
▽中央図書館は広島駅南口に移転し、その跡地は「文化芸術施設」の整備が検討されています。
▽広島城天守は来年閉城する一方で、周辺に「三の丸歴史館」がオープンする予定です。天守は、木造復元の検討も進んでいます。














