施設でのトラブルに“神対応”を見せた夫

ある時、デイサービスで認知症の女性が「私だけコーヒーをもらえない!」と怒り出したことがありました。実際は彼女自身が「お茶がいい」と頼んだからなのですが、職員が言い返そうとしたその時、夫が割って入りました。

「〇〇さん、実はコーヒーをこぼしちゃって、今日はあなただけお茶になってごめんなさいね。次は一番に美味しいコーヒーを届けるから、今日は勘弁してやってください」

その言葉に女性は納得し、場が丸く収まったといいます。

亡くなる20時間ほど前、子や孫たちに囲まれた夫・慶徳さん(金子裕美子さん提供)


夫が倒れてから5年目には、金子さんの実の母も脳梗塞で倒れました。
金子さんはデイサービスやショートステイをうまく使い、夫と実母の“ダブル介護”を順調にこなしていました。

そう、あのパンデミックが起きるまでは…