「なぜ言うことを聞かない」義父への憎しみが募った理由
新潟県の西部にある糸魚川市で暮らす金子さんは、結婚生活49年のうち、実に28年間を在宅介護に捧げてきました。義理の両親、夫、そして実の両親。ショートステイなどを利用しながらも、ほぼ24時間、たった一人で背負ってきたのです。
最初の試練は1989年(平成元年)、夫が単身赴任になったタイミングで始まりました。相手は、義理の父。金子さんは正直に告白します。
「当時、義理の父が大嫌いでした」
些細なことで怒鳴り、幼い孫にまで当たり散らす義父。そんな父の認知症が進行し、金子さんは頼れる夫もいない中、介護生活に突入しました。
「できるだけ関わりたくないのに介護しなきゃいけない。毎日毎日メソメソ泣いていました」














