「憎くてやっているわけじゃなかった」“深夜徘徊”の真実

転機は突然訪れました。
ある日、お客が来て、お茶を持っていこうとした金子さんに義父の話声が聞こえました。

「自分は家内を早く亡くしているから、寝たきりになったら若い者の世話にならなきゃいけない。そうなる日が、できるだけ遠くなるように、毎日散歩して体を鍛えているんだ

その言葉を聞いた瞬間、金子さんの胸にすとんと落ちるものがありました。

「私が泣いて止めても夜中に家を出て行っていたのは、私への嫌がらせじゃなかった。若い者の世話にならないために、父なりに考えてやっていたことだったんだ