大分県内の新型コロナの感染者は再び急増に転じ、第8波ともいえる状態になってきています。ひっ迫を警戒する医療現場の現状を取材しました。

激しく咳き込む男性。看護師が2人がかりで処置にあたっています。これは14日、撮影した大分市の病院内にあるコロナ病棟の様子です。

大分三愛メディカルセンターでは、12月に入ってから入院患者が急増。現状の体制ではすでに満床状態にあるといいます。

(大分三愛メディカルセンター・梶原洋文さん)「14床=満床入っている状況です。持病がある人がコロナに感染して重症化する。そういう患者が入院してくるケースが非常に多い」

患者のほとんどは75歳以上の後期高齢者。こちらでは最大で25床まで増やせるということですが、それ以前に医師や看護師の確保の問題が立ちはだかっています。

(梶原洋文さん)「スタッフの不足が大きな命題になってくると心配している。高齢者が増えて介護度が増しているので、以前と同じ数の看護師がいたとしても同じ数の患者は見れない状況」

一方、救急現場では新たな試みも…

(安部記者)「大分市消防局の救急車には先週から抗原検査キットが常備されています」

県は救急搬送の困難事案を減らすため、12月7日から救急車で患者自身に抗原検査を行ってもらう実証実験を大分市と別府市で始めました。検査キットは感染が疑われ、受け入れを2回断られた際に使用。開始から1週間で12のケースで使われ、そのうち1件が陽性、11件が陰性だったということです。

(県医療政策課小野宏課長)「陽性なのか陰性なのかわかると医療機関としては受け入れしやすくなるのでは。この取り組みが救急搬送の円滑化に少しでもつながれば」

県は1か月程度効果を検証した上で、他の市町村にも展開していくか見極めたい考えです。