広島県府中市で消火ホースの筒先を盗んだとして、窃盗の罪に問われている元新聞配達員の男の裁判が福山簡易裁判所であり、追起訴分の審理を経て、検察は懲役1年6か月を求刑し、結審しました。

窃盗の罪に問われているのは、府中市の無職・藤岡俊巳被告(66)です。起訴状などによりますと、藤岡被告は新聞配達員をしていた去年11月1日からことし7月19日までの間、配達中や配達後に原動機付自転車を運転してホース格納箱へ赴き、無施錠の扉を開けて筒先を盗み出した後、買取業者に持ち込んだとされています。

4日の裁判で「間違いありません」と藤岡被告は起訴内容を認めました。被告人質問で、藤岡被告は、新聞配達による毎月の給料を小遣いにしており、所持金が少なくなっていたことから犯行を繰り返したとし、所持金が減る原因としてたばこや宝くじをあげました。

起訴内容のみでも盗まれた筒先は4本(時価合計約4万円相当)にのぼり、検察は「短時間で広範囲に移動可能な新聞配達で使用する原動機付自転車を用いて犯行を完遂した、巧妙で手慣れた狡猾的犯行」と指摘し、懲役1年6か月を求刑しました。

弁護側はホース格納箱を管理する町内会への被害弁償が行われていることなどから執行猶予を求めました。判決は12月18日に言い渡される予定です。