全国各地に伝わる「神楽」のユネスコ無形文化遺産登録に向け大きく前進です。
28日、国の文化審議会による答申を経て、ユネスコに提案されることが決まりました。

宮崎県内の関係者は、全国組織の先頭に立って登録に向けて活動してきただけに、喜びもひとしおです。

国内には各地に4000を超える神楽があり、このうち40件が国の重要無形民俗文化財に指定されています。

28日、国の文化審議会は、神楽をユネスコ無形文化遺産に登録するよう、松本洋平文部科学大臣に答申。

その後、関係省庁の連絡会議で「神楽」と「温泉文化」が、来年3月末までにユネスコ事務局へ提案されることが決まったということです。

ユネスコによる審査の優先順位は「神楽」が先になっていて、「神楽」は2028年、「温泉文化」は2030年に審議・決定される見通しです。

神楽の提案決定を受け、全国34道府県が参加する神楽継承・振興知事連合の共同代表を務める河野知事は、喜びの涙を流しました。

(宮崎県 河野俊嗣知事)
「大変感無量、とてもうれしい報告をすることができました。世界が評価をする、そういう神楽になっていくんだという、ぜひ、さらなる誇りを持って、その活動に取り組んでいただきたいと考えておりますし、県としても国やいろんな団体と連携をしながら、それをさらに後押ししていきたいと考えています」

また、全国神楽継承・振興協議会の会長を務める高千穂神社の後藤俊彦宮司は。

(全国神楽継承・振興協議会会長 高千穂神社・後藤俊彦宮司)
「民間の気持ちと行政の協力がここで一つの成果をあげたのかなと思う。今後とも励まし合いながら、存続・発展させていくために活動を続けていきたい」

人口減少や少子高齢化で各地で継承が危ぶまれている神楽。
ユネスコ無形文化遺産の登録が地域や関係者に活気をもたらしそうです。