衆議院の会派「改革の会」に所属する議員3人は、自民党の鈴木幹事長と会談し、自民党会派に加わることで正式に合意しました。

これにより衆議院では約1年ぶりに「少数与党」が解消されました。

■衆院「少数与党」ついに解消へ 自民党の政権運営“安定化”なるか

28日午後、自民党の鈴木幹事長らは、衆議院の会派「改革の会」に所属する議員3人と会談。3人が自民党会派に入ることで合意しました。

守島正 衆院議員
「政策を実現するためには、今、与党に寄与して、政策や予算をしっかり実現していくことが大事」

3人は10月に行われた総理指名選挙で高市氏に投票していて、関係者によりますと、自民党幹部が3人に会派入りを打診していたということです。

これにより衆議院では与党が過半数に達し、少数与党が解消されることになりました。

鈴木幹事長は「今まで以上に安定した政権運営が出来るようになる」としながらも、次のように話しました。

自民党 鈴木俊一 幹事長
「これからも他会派・他党にもですね、丁寧にお話を伺いながら、ご協力をいただけるような、そういうことは今までと何ら変わりなくやってまいりたい」

実際、参議院では少数与党の状況が続き、過半数に達した衆議院でも、その差はわずかです。

野党からは。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「ほとんど僅差の状況というか、拮抗している状況なので、誰かが体調を悪くしたりとかすると、分からなくなる状況ですので、緊張感自体はたぶん変わらないのではないかなと思います」

■衆議院の「少数与党」解消で何が変わる?

日比麻音子キャスター:
衆議院では与党が過半数の233に達しましたが、どういったことができるようになっていくのでしょうか。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
補正予算がこれから進みますが、少数与党だと予算案そのものが通らない可能性があったのが、今後は通りやすくなります。

それから、例えば総理に対する不信任案が出たときに与党側で否決することができます。条約の批准などでも、参議院で反対が多い場合も、衆議院が優先され通せるようになります。

一見政治が進みやすくなるように思えますが、野田代表の言葉にもあるように、大幅に与党側が多くなるわけではないので、まだまだ緊張感は続くと思います。

日比キャスター:
一方、参議院では、与党の議席は過半数に6議席足りないということで、ねじれることになります。どのような影響があるでしょうか。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
いわゆる「ねじれ国会」になるわけです。

一般の法案については参議院で止まることが大いに考えられます。ただ、おそらく自民党は、例えば無所属や小さな会派に対し、(自民党の)会派入りするよう働きかけていると思います。ひょっとしたら、ねじれではなくしようとする可能性はあります。

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<プロフィール>
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説