広島県福山市内の住宅で同居する母親が死亡しているにも関わらず放置していた罪に問われている男の初公判が28日、広島地裁福山支部で行われました。検察は「10か月」の拘禁刑を求刑し、裁判は即日結審しました。

死体遺棄の罪に問われているのは、会社員の重松宏樹被告(53)です。

起訴状などによりますと、重松被告は7月17日、福山市伊勢丘の自宅で、同居中の母・智枝さん(当時83)が脱衣所で仰向けに倒れて呼吸もしていない状態を確認しつつも、21日まで放置していたとされています。

28日の初公判で、重松被告は「(間違いは)特にはありません」と起訴内容を認めました。

重松被告は、死亡した実母と姉の美和子被告(55、死体遺棄で起訴)の3人暮らしでした。

28日の初公判で検察は、「認知症と診断された母親の介護は、姉の美和子被告がしていた。母が倒れ、死亡したと思われた時も、現実から逃れたいなどと考えたほかに、通報などは介護してきた美和子被告がするべきだと考え、自分で通報など必要な行動を行うことはしなかった」と指摘しました。

その上で、「通報などの対応は必要であり、かつ極めて容易であった。その動機や経緯に酌量の余地はない」とし、拘禁10か月を求刑しました。

弁護側は重松被告が繰り返し反省を述べていることなどから、執行猶予を求めました。

判決は12月9日に言い渡されます。