名古屋で12月4日に開幕するフィギュアスケート、グランプリ(GP)ファイナルに出場する中井亜美(17、TOKIOインカラミ)が28日に練習を公開。五輪イヤーでシニアデビューとなり、GPシリーズ上位6人のみで争うファイナル進出を果たした思いなどを語った。
中井はGPシリーズデビュー戦のフランス杯(10月18日)でいきなり初優勝。同シリーズ、デビュー戦での初優勝は、日本勢女子としては紀平梨花(18年NHK杯)、渡辺倫果(22年スケートカナダ)以来、史上3人目の快挙となった。
デビュー2戦目のスケートカナダ(11月2日)では3位で2戦連続の表彰台入り。初のファイナル出場を決めて、五輪代表入りへ名乗りを上げた。この日の練習では自身の武器でもあるトリプルアクセル(3回転半)は一度も跳ばず、他の種類のジャンプやステップなどの練習を重点的に行った。
公開練習では29社の報道陣が取材に駆けつけ、練習後「予想を超える数の方が来てくださったので、すごく緊張した」とインタビューで話した中井は「昨日の夜は(3回転)アクセルの練習をしてて、着氷もできていたのでカナダ大会からいい方向に向かっている」と得点源であるアクセルジャンプに手ごたえを感じているようだ。
身長が伸びるなどジュニア時代から身体も変化していく中での大技の挑戦について「トリプルアクセルに挑戦することによって、ショートからの緊張感は、ジュニアの頃とだいぶ変わってきていて、ノーミスする回数も少し減ってきているんですけど、挑戦することにも意味があると思っているので、まずは大きな舞台で成功させられるように」と強い思いを語った。
その自身のアクセルジャンプについて「結構回転が速い方なので、高さっていうよりは幅があるのが自分の持ち味かなっていうふうに思っていて、幅がある分迫力もあると思うので、そこは自分にとって武器になるかな」と特徴を話し、さらに最近ではリンク外での独自のトレーニングも取り入れて感覚が良くなってきているという。
「シーズン初めは、このような結果になると思っていなかった」と自身でも想像を超える飛躍のシーズンとなり、五輪代表への思いを聞かれると「やっぱり夢から目標に変わっているのは事実なんですけど、意識しすぎてしまうとどうしても自分の実力が発揮できないことが今までの試合で多かったので、そこまでまだオリンピックを意識していない」と率直な気持ちを話した。さらに「全日本でいい演技をしたいという思いが今は強い。全日本でどれだけ自分の実力を出せるかが鍵になってくる」とファイナル後の、国内の選考会である全日本選手権(12月19日~21日)を見据え、今後の快進撃に期待が高まる。














