レジもなく店員もいないドン・キホーテや、万引きゼロの無人書店。さらには、ITを駆使して安さを実現するスーパーも登場。広がる“無人ショップ”一体ナゼ?

「安い」と評判…元IT企業が手がけるスーパー


11月7日、東京・杉並区にオープンしたスーパー『トライアルGO 西荻窪駅北店』。

コンビニより少し広めの店内には、肉や野菜、卵などの生鮮食品や、米、冷凍食品、日用品など約1800種類の豊富な商品が並びます。


さらにボリューミーでお得な惣菜やお弁当もズラリ。

分厚いお肉の「ロースかつ重」は343円、たまごを3個も使った贅沢な「たっぷり玉子サンド」は2切れ入って199円です。

THE TIME,マーケティング部 君島光輝部員:
「分厚くてすごいボリューム。たまごの自然な甘味とマヨネーズが合わさって2個ペロリといけちゃうおいしさ」


お客さんからも「安い。コンビニなら倍くらいいっちゃう」と評判も上々ですが、物価高の今、なぜ安く提供できるのでしょうか?

『トライアルホールディングス』広報部部長・野田大輔さん:
「機械に置き換えられるものは置き換えて、全体の運営コストを下げていく。そうすることで、お客様に提供する価格をお安くすることができる」


運営する『トライアルホールディングス』は元々福岡のIT企業で、店内の様々なシステムを自社開発。


品出しを行う店員はいるものの、期限が近い弁当などの値引きは“レジが自動処理”。

さらに、会計は“オールセルフレジ”で、“リモート顔認証機能”で年齢も確認できるので、無人だけどお酒も購入できます。

また、天井には“約20台のカメラ”が設置され、棚の在庫状況をリアルタイムで福岡の本社に送信し商品を発注。

これらのシステムで、“ほぼ無人”での営業を可能にしているのです。


“10秒買い物”「店員・レジなし」ドンキ

7月、大阪・寝屋川市にある大学の構内に登場したのは、『キャンパスドンキ 大阪電通大店』。ドン・キホーテ初の「無人小型店舗」です。

大学生:
「めっちゃ色々なものが置いてあるし、結構安めなので重宝している」


弁当やドリンク、文房具、日用品などが約500種類並び、値段も安めとあって大人気。
そして、最大の特徴は「会計システム」です。


店内で商品を手に取ったら、そのまま出ていくだけ。

大学生:
「取って出るだけでお会計終わっているので、めっちゃ楽」


実はこのお店、LINEで会員登録しPayPayなどの決済情報を紐づけ、バー付きのゲートにQRコードをかざして入店。

手に取った商品は店内のAIカメラで認識し、さらに棚には重量センサーもつけられているため、ゲートを通るだけで買い物が可能なのです。

ちなみに、商品を手に取ったり棚に戻したりを繰り返し、最終的に7品購入した学生もいましたが、1つも間違えることなく会計ができていました。


小型業態プロジェクト責任者・佐藤大祐さん:
「“約85%の人件費削減”。また“スペースが確保できて”商品の提案の幅が広がる」


なぜ?「万引きゼロ」の駅ナカ書店


東京メトロ・溜池山王駅の改札から徒歩30秒のところにあるのは、無人書店の『ほんたす ためいけ(溜池山王メトロピア店)』。

こちらも事前にLINEで登録し、QRコードをかざせばガラス扉が開いて入店OK。


16坪の店内にはビジネス書にマンガ、絵本まで約8000冊の本が並び、お目当ての本がない場合はアプリを使って取り寄せすることも可能です。

女性客:
「仕事で家にいない時間が多いので、取り寄せて通勤途中で受け取れるのはすごく楽」


いまや会員3万人超えの無人書店「ほんたす」。誕生した理由はー


『日本出版販売株式会社』南光太郎さん:
「全国に書店がなくなってきている中で、“人件費の高騰”や“人材不足”などを打開するために無人運営を開発した」


さらに、書店がかかえる“万引き問題”も解決。
入店に会員登録が必要なのに加え、ガラス張りにして死角をなくすことで、開店から2年で「万引きトラブルはゼロ」だといいます。

人手不足の解消にも一役買って、値段も安く提供もできる「無人ショップ」が徐々に広がりをみせています。


(THE TIME,2025年11月25日放送より)