静岡県富士宮市に新たにオープンした「産後ケア」の施設が本格稼働しています。全国的にも珍しい民間主導の施設で、産後の母親たちの身体と心の回復をサポートしています。
富士宮市にオープンした産後ケア施設「てって」です。
助産師や保育士などが産後の母親の心身のケアや育児サポートなどを行います。
<助産師と母親>
「コップで飲んでる?ストロー?」
「コップにチャレンジしていたんですけど、難しくて、ちょっとでもミルク飲んでほしくてストロー」
「今からでもコップであげると、口の使い方とか上手になるので」
子どもを見てもらうことでゆっくり食事ができたり、育児の疑問や悩みを相談できたりします。
<母親>
「やっぱり普段はワンオペで、ほとんどずっと2人きりなので、ちょっとゆっくりする時間があったらいいなと思って」
<母親>
「助産師さんにいろいろお話聞いてもらったり、この子自身も他の人に見てもらえる。自分とだけだと、この子自身の世界が縮まってしまうかなと思って、人に慣れてほしいのもあって使いました」
「てって」を立ち上げたのは、助産師や保育士などの現役ママたちです。産後ケアの事業は医療機関などが行うのが一般的ですが、「てって」は地元で不動産業を営む民間企業が運営する全国的にも珍しい施設です。
<富士宮産後ケア施設「てって」 佐野安以代表>
「『てって』には専門職以外にも、絶賛子育て中の先輩ママたちがたくさんいるので、そういった方たちと一緒に手を取り合っていきながら、あったかい地域にしていきたいなと思っています」
オープンから約40組が利用を申し込むなど、産後ケアの需要は高い一方、課題もあります。
産後ケアには自治体の補助はあるものの、利用者の自己負担が大きいのが実情で、利用しやすい料金にすると、設備費や人件費をまかなえず採算が取りにくくなります。
継続して運営するためには、利用者の負担を軽くする仕組みや、行政の支援と連携が欠かせません。
「てって」では産後ケアの必要性を広く知ってもらうため、地元の小学生の見学を受け入れたりセミナーを開催したりして、誰もが必要な時に利用できる環境づくりを進めています。
<富士宮産後ケア施設「てって」 佐野安以代表>
「人に頼っていいよ、自分1人で頑張らなくていいよって。全国的にも産後ケアという言葉が広がって、産後ケアに対するみんなの目が向けられたらうれしいなと思います」
「てって」では、12月から日帰りに加えて宿泊のサポートも始める予定です。
「てって」の名称には「手と手を取り合う子育てを」という思いが込められていて、現在、運営には20人以上の現役ママたちが携わっています。12月には体験会も開催するということです。














