きょうから12月1日までの1週間は犯罪被害者やその家族が置かれている状況についての理解を深め、生活への配慮を促す「犯罪被害者週間」です。
この「犯罪被害者週間」を前に、福岡県久留米市で「遺族となって22年」と題した講演会が開かれました。
マイクを手に取ったのは、熊本県の犯罪被害者遺族自助グループ「さくらの会」で代表を務める米村州弘さんです。
22年前(2003年)の9月26日、米村さんの次女・智紗都さん(当時20)は、突然行方不明となり、約2週間後、大阪府と奈良県にまたがる金剛山の山中で遺体となって見つかりました。
殺害したのは智紗都さんとインターネットで知り合った49歳の男でした。
講演会で米村さんは、遺体で見つかった智紗都さんと対面した際「娘とは分からないぐらいの顔」だったものの「やはり智紗都と分かる」と感じたことや、残された家族3人が「娘を殺したのは私」「妹を殺したのは私」と自らを責めるようになってしまったこと、「大丈夫?頑張ってね」との善意の言葉により妻の心の状態が悪化してしまったことなどを語りました。
米村さんは、犯罪被害者の遺族として講演会を続ける理由について「智紗都さんのこと、残された遺族のことを子供や周囲の人たちに話してくれることで、智紗都さんが生き返ると感じている」と述べたうえで「智紗都をたくさん生き返らせてあげてください。命の大切さを周りの人に伝えてください」と呼びかけていました。
米村州弘さんの講演会の詳しい内容は、全6回の連載で掲載しています。
「2週間土の中に埋められていた人間ってどうなるか分かります?」変わり果てた20歳の娘と対面した父ネットで知り合った49歳男に娘を殺害された父親の22年【全6回連載①】
20歳の娘が殺害されたきっかけは1台のパソコンだった「娘を殺したのは私」「妹を殺したのは私」残された家族3人が自らを責める家庭に・・・【全6回連載②】
「大丈夫?頑張ってね」善意の言葉が妻を壊した…20歳の娘を殺害された父が語る犯罪被害者遺族の22年【全6回連載③】
「最初に思い浮かぶのは変わり果てた娘」20歳の娘を殺害された父が語る”22年間の自責”と”消えない記憶”【全6回連載④】
何でも”殺害された20歳の娘”と結びつけてしまう苦悩心の支えは”孫”ただ、その誕生が「22年間で一番辛かった」【全6回連載⑤】
「あの男はちいちゃんだけを殺したのではない」20歳の娘を殺害された母 「智紗都をたくさん生き返らせてあげてください」父が講演を続ける理由【全6回連載⑥】














