和歌山電鉄と和歌山県、和歌山市、紀の川市は24日、債務超過が続く貴志川線について、線路や車両などの鉄道設備を自治体が保有する「上下分離方式」で運行することを目指すことで合意しました。

▼債務超過に苦しむ和歌山電鉄・貴志川線

 三毛猫が駅長を務めることで有名な和歌山電鉄・貴志川線は現在、和歌山県と沿線の和歌山市、紀の川市から設備投資などの支援を受ける「みなし上下分離方式」で運行していますが、利用客の減少で債務超過が続いています。これを受けて和歌山電鉄と県など沿線自治体は24日、路線存続のために「上下分離方式」での運行を目指すことを盛り込んだ合意書を締結しました。

 「上下分離方式」では、線路や車両などの設備の保有・管理を県と和歌山市、紀の川市が担い、運行業務を和歌山電鉄が行います。和歌山市によりますと、「上下分離方式」となれば貴志川線は約4億7000万円の黒字になることが見込まれていて、2028年4月の実現を目指しています。