沖縄返還交渉の際、当時の佐藤栄作総理の密使として尽力した国際政治学者、若泉敬(わかいずみ・けい)氏が、亡くなる2年前に県民と大田元知事にあてた遺書が、福井県越前市から県公文書館に寄贈されました。
福井県出身の若泉敬氏は沖縄返還交渉に関わった国際政治学者で、当時の佐藤総理と米国のニクソン大統領が、有事の際には米軍が沖縄への核の持ち込むことを認める「密約」を結んでいたことを、後に暴露しています。
21日、福井県在住の個人から県公文書館に寄贈された若泉氏の遺書は、沖縄県民と大田元知事にあてたもので、「歴史に対して負っている私の重い『結果責任』」などと自責の念がつづられていて、自らが関わった返還交渉が沖縄の基地負担軽減につながらなかったことへの苦悩がにじんでいます。
▼越前市 文化県都推進課 奥谷博之課長
「本来のあるべきところに到着したという思いで、より沖縄の方に知ってもらいたい」
県公文書館公文書管理課の仲本和彦主幹は、「公文書館で保存することで、沖縄返還交渉を検証するきっかけになればいいと思う」と述べました。若泉氏の遺書は12月9日から28日まで、県公文書館で展示される予定だということです。














