高市総理の台湾有事を巡る発言で、なおも続く中国の反発。影響は「学びの場」にも及んでいます。

21日の記者会見で、北海道の鈴木直道知事が口にしたのは、政府への「注文」でした。

鈴木直道知事
「政府においては、中国はもとより国際社会に対して冷静かつ毅然とした態度で正確な情報発信を行っていただきたい」

台湾有事をめぐる高市総理の発言に、中国政府は強く反発。

両国の緊張状態が続く中、中国教育省が慎重に検討するよう呼びかけたのが「日本への留学」です。

「日本に滞在する中国人のリスクが高まっている」というのが、その理由でした。

道内の外国人留学生の数は、2023年の時点で4753人。コロナ前を超えるほどに増えていますが、このうちの約半分、2168人が中国からの留学生です。

いま、1000人以上の中国人留学生が学ぶ北海道大学。

中国研究が専門の城山英巳教授は、留学生に与える影響は限定的だと分析します。

北海道大学(現代中国研究)城山英巳教授
「基本的には、政治と距離をおいて自分自身の道を行くという学生がほとんどです。極めて、中国政府の意向に自分自身が影響を受けるという時代でもなくなってきていますので」

日本の大学の運営を一定程度、支えているとも言える中国人留学生の存在。ただ、こうした運営体制を見直す時期に来ていると城山教授は指摘します。

北海道大学(現代中国研究)城山英巳教授
「日本の優秀な学生に修士課程に入ってもらう。あとは海外の優秀な学生を中国だけじゃなくて、世界中から取り込むという方向は当然必要なので、そういうところに力を入れるべきじゃないかと思いますね」

出口の見えない日中関係の冷え込み。さまざまな分野で対応が迫られています。