今週月曜日、宮崎県日南市の倉庫で銅線が盗まれているのが見つかりました。
全国で急増しているという銅線の盗難事件。背景には何があるのでしょうか?

(廣末圭治記者)
「日南市東郷にある企業の倉庫です。こちらであるものが盗まれる被害が発生したということです」

事件が発生したのは、発砲スチロール容器の製造・販売を手がける「南郷包装」の倉庫。

最初に被害に気づいた高橋孝幸さんに当時の状況を聞いた。

(南郷包装 高橋孝幸取締役製造部長)
「(被害に)気づいたのが今週の月曜日、11月17日の午前中に来たところ、電気がつかないということで調査したところ、電線が切られて盗まれているのが分かった」

倉庫の外にある配電設備を見せてもらうと…

(南郷包装 高橋孝幸取締役製造部長)
「(扉が)開いた状態だった。それで何も思わずに開けてブレーカーが落ちていると。で(ブレーカーを)上げたがその時に『あれ?電線がない』ということに気づいて」

盗まれたのはブレーカーにつながっている銅線。
さらに、電圧を変換する設備も何者かによって鍵が開けられていたという。

(南郷包装 高橋孝幸取締役製造部長)
「開いてのぞいたところ、電線が全部切られていて、手前や中に電線が入っていたと思うが(盗まれた)」

こちらも、ほとんどの銅線が切断され盗まれていた。中には直径3センチほどある太い銅線もあったという。


(南郷包装 高橋孝幸取締役製造部長)
「まさかこういうことが起こりえるということは思っていなくて、そういう意味ではちょっと甘かったなと」

こちらの倉庫は、4月から7月にかけてマンゴーを出荷するための作業場として使っていて、今の時期は人がいないという。

盗難の被害は倉庫の中にも及んでいた。

(廣末記者)
「こちら倉庫の裏側なのですが、このようにガラス窓が外から割られています」


小さい穴を開けられた窓ガラス。犯人は、ここから鍵をあけ、侵入したと見られている。

中には、犯人のものと思われる足跡が残っていた。
そして、倉庫の中の配電設備も、外と同じようにほとんどの銅線が切断され、盗まれていた。


警察は窃盗事件として捜査している。

(南郷包装 高橋孝幸取締役製造部長)
「防犯に向けてできるところはきちっとやるということ。(盗難は)身近にあるんだということを踏まえて皆さんが防犯対策に取り組んでもらえればと思う」

今回、南郷包装では、同じような被害が拡大しないよう注意喚起するためにも、取材を受けていただきました。

銅線の盗難というのは全国的に急増しています。

警察庁によりますと、金属製の物品や設備を狙って盗む窃盗の認知件数は、去年が2万件余り。
材質別では、半数以上が銅で、ここ5年で4倍以上となっています。

(右)取材を担当 廣末圭治記者



宮崎県内でも1~6月は1件も、7~10月末には18件と急増しています。

この急増の背景にあると思われるのが、銅の価格の高騰です。

銅は、メガソーラーや電気自動車などの需要の高まりで価格が高騰しています。
銅の国内取引の基準値なんですが、今年9月は1トンあたりおよそ153万円で、これは9年前の3倍近くにあたります。

(右)取材を担当 廣末圭治記者



南郷包装では、被害のあと、セキュリティ会社の防犯サービスを契約するなど対策を進めているということです。

同じような被害を防ぐためにも被害にあいそうな場所がないかを確認し、どんな対策ができるのかを考えることが重要です。

※MRTテレビ「Check!」11月20日(木)放送分から