今年7月の参院選はいわゆる「一票の格差」が是正されておらず憲法違反にあたるとして県内の弁護士などが選挙の無効を訴えている裁判で、福岡高裁那覇支部は12日、「違憲状態」にあるとの判決を出しました。

「一票の格差」とは、選挙区ごとの有権者数の違いから一票が持つ価値に不平等が生じる問題で、今年7月の参院選では全国で最大3.13倍、沖縄県と福井県では1.91倍の格差があったとして、県内の弁護士などが選挙の無効を求めています。

福岡高裁那覇支部 菊池浩明裁判長

12日開かれた法廷で判決を出した菊池浩明裁判長は、格差是正のための見通しが立っておらず、むしろ徐々に拡大していると指摘。「著しい不平等状態にあった」として、違憲状態との判断を示しました。

一方で、原告が求める選挙の無効については、投票率の低下など格差是正にあたって検討が必要な事情があることなどを挙げ、請求を棄却しました。

▼原告 齋藤祐介弁護士
「不平等を放置していると言わざるを得ない」

原告は選挙の無効を認めなかった判決を不服として、最高裁に上告しています。