高知県土佐清水市発注の施設改修に伴う電気設備工事をめぐり、入札の秘密事項である最低制限価格を市議会議員に教えた上、2つの業者の役員に漏らした疑いで土佐清水市長ら4人が逮捕されました。

官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、土佐清水市長の程岡庸(ほどおか・よう)容疑者(66)、土佐清水市議会議員の永野裕夫(ながの・ひろお)容疑者(67)、四万十市の会社役員榮勇男(さかえ・いさお)容疑者(84)、四万十市の会社役員小野和幸(おの・かずゆき)容疑者(66)の4人です。

県警などの調べによりますと4人は共謀。今年5月28日に土佐清水市が執行した「宿泊型多文化共生コミュニティ施設改修工事(電気設備)」の指名競争入札に関し、程岡容疑者が入札の機密事項である最低制限価格を永野容疑者に教え、永野容疑者から榮容疑者、小野容疑者と、順次情報を漏らして、小野容疑者の会社に最低制限価格に近い金額で入札、落札させた疑いが持たれています。

この工事は県の人口減少対策総合交付金を活用した事業です。旧の幡陽小学校を改修し、地域住民と「地域みらい留学生」の交流や公営塾の設置、地域課題を学ぶ場を目指しています。

入札の予定価格は6427万円で、最低制限価格は5912万円。小野容疑者が代表を務める会社が、5913万円で落札していました。(いずれも税抜き)

県警は程岡容疑者がどのように最低制限価格を永野容疑者に伝えたかや、4人の関係性、また、認否については明らかにしていません。

市長の逮捕について土佐清水市は「詳細がまだ把握できていない。警察には全面的に協力していく」とコメントしていて、市長の職務は副市長が務めるということです。