2022年、裾野市民文化センターで楽器が水浸しになったスプリンクラー事故をめぐり、楽団側が静岡県裾野市などを提訴しました。11月7日、臨時の会見を開いた裾野市は「根拠のあるものでなければ公金を拠出できない」として争う姿勢を示しました。

この問題は2022年9月、裾野市の市民文化センターで舞台上のスプリンクラーが突然作動し、「シンフォニエッタ静岡」のメンバー5人がけがをしたほか、楽器や楽譜などが水浸しになったものです。

この問題をめぐっては裾野市が事故調査委員会を設置しましたが、2023年6月に発表した最終報告書で「原因は特定できなかった」と結論付けました。

その後、裾野市は和解金を支払う意向を示し、およそ2年協議を進めてきましたが、裾野市によりますと、楽団側から和解金としておよそ151億円の請求があったものの、具体的な根拠が示されず、話し合いが進まなかったということです。

一方、楽団側は「市は和解の内容を提示せず、協議が進まない状況が続いた」などとして、9月19日付で裾野市と施設の指定管理者を相手取り、9億6570万円の賠償を求めて提訴しました。

<裾野市 村田悠市長>
「根拠があるものでなければ、私は税金を預かる立場として拠出できないと思っておりますので、その思いは変わらず訴訟に臨んでまいりたい」

提訴を受け、裾野市は12月はじめに裁判所に「答弁書」を提出する予定です。