仮想通貨をめぐる事件のニュースでプライバシー権を侵害されたなどとして、男性がSBSなどを相手取り損害賠償を求めた裁判で、SBSは55万円の支払いを命じた静岡地裁の判決を不服とし控訴しました。

この裁判は2021年に電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕され、その後、不起訴処分となった静岡県内に住む男性が自宅前で連行される様子をSBSが撮影・報道したことがプライバシー権や肖像権の侵害にあたるなどとして、SBSなどに対し、それぞれ110万円の損害賠償を支払うよう求めていたものです。
10月、静岡地裁はSBSが事件を報じた最初のニュースには違法性がないとした一方、その2日後に、改めて特集として報道した際には男性の嫌疑が薄まっていたにも関わらず、実名や連行映像を用いて報じたことはプライバシー権の侵害にあたるなどとしてSBSに55万円の支払いを命じました。

この判決についてSBSは「犯罪報道の実態について一部理解されていない判決であり、承服できない内容」と判断し、きのう付けで東京高裁に控訴しました。

一方、男性側も判決の一部を不服としてすでに控訴しています。