島根県松江市の上定市長は、市が検討していた島根県の旧知事公舎取得を取りやめたことについて、7日の定例会見で、市が取得しなくとも景観を害する建物が建つ恐れが無くなったためなどと説明しました。
上定昭仁市長
「(知事公舎は)松江市としての取得、あるいは借り受ける、利活用するということについては、しない方針で(県に)回答させていただいた」
島根県の旧知事公舎は、松江城に近い歴史的建造物が並ぶ観光の中心地にあり、日本庭園のある邸宅です。
前職までの歴代3知事が住みましたが、現職の丸山知事は別に自宅を購入しているため使っておらず、加えて老朽化が進んで維持費もかさむことから去年3月で廃止になりました。
その後、旧知事公舎の取得について県から提案を受けた松江市は、去年7月、松江城周辺の賑わい創出拠点として活用する方針を決め、具体案の検討をしてきました。
しかし、11月4日、県に対し、取得しない方針を伝えました。
松江市 上定昭仁市長
「こちらから(民間業者に)お願いして考えていただくよりは、民間事業者の皆様が(旧知事公舎を取得して)主体となって具体的な活用プランを考えていただける兆しを確認することができたので…」
取得をやめた理由について上定市長はこのように述べ、精査した結果、旧知事公舎の場所は、伝統美観保存区域で、建築基準法や市の景観条例により、建物の高さや外観などについて制限があり、市が所有せずとも景観を害するような建物が建つ恐れがないと分かったためと、説明しました。
結局、松江市は1年以上検討して、県に戻した形で、まちづくりのチャンスとも言える旧知事公舎の活用については、松江市がリーダーシップをとることは無くなりました。
この判断を受け、島根県は今後、「公売も含めて検討していく」としています。














