台湾で今年8月に新たなテーマパークが誕生しました。しかし、目玉となるパーク内の“お城”が、あの夢の国の城を模倣したのではないかとして、物議を醸しています。

台湾中部にある嘉義県。ここに3か月前から営業を始めたテーマパークがあります。開園前には続々と観光客が到着。

来園客
「きのうの夜からここに来るのが楽しみで眠れませんでした。一番乗りで来たんです」

その名も「アザーワールド」。ヨーロッパ風の街並みに、チョコレート工場やメリーゴーラウンドがあり、家族連れの姿も多くみられます。中でも人気なのが…

記者
「きょうは平日なんですが、このように多くの人で賑わっています。そしてメインとなるお城の前には写真撮影をする人が大勢います」

ピンク色の外壁にブルーの屋根が特徴のアザーワールド城です。台湾ではこの城がSNS上で“台湾版ディズニー”として話題となり、週末にはおよそ1万人が来園するほどの人気に。

来園客
「とても美しいです。色合いが良いですね」
「ディズニーにいるような気分になります」
「(Q.お子さんは楽しんでいますか?)はい、とても喜んでいます」

しかし、この城をめぐり怒りの声をあげる人がいます。

豪門国際開発 簡延在 会長
「これは由々しき事態です。放置しておけません」

台北市内にある建設会社の簡会長。中国・上海のディズニーランドの城の建設などに携わってきました。

アザーワールドの営業が始まってまもなく、アメリカのディズニーの関係者から「簡さんの会社で模倣作品をつくったのか」と問い合わせが数件寄せられたというのです。

豪門国際開発 簡延在 会長
「私たちが“台湾版ディズニーを作ったのでは”と、過去の仕事仲間たちが直接電話で問い合わせてきました。守秘義務に違反したのではないかと」

実際に上海のディズニーランドの城と比べてみると、形は異なるようにみえますが、色使いは似ているように見えます。

疑念を晴らすため、簡会長の会社はすぐに「一切関係がない」との声明をだし、火消しを図りました。

こうした騒動にアザーワールド側は。

アザーワールドの運営会社 毛鐸翰 会長特別補佐
「私たちには自作のスケッチがあり、完全オリジナルです。私たちが建てたのは“嘉義に属する城”なのです」

創業者が幼少期に思い描いた“理想の城”で、地元の名産・梅や稲穂などをモチーフにした装飾が施されるなど、外観については全く別物であると主張します。

ただ一方で…

アザーワールドの運営会社 毛鐸翰 会長特別補佐
「私は思うのですが、芸術でも多くの事柄で最初は模倣から始まるものです。色使いがディズニーの城に似ていると言われますが、私たちは彼らの“色彩表現の方法”を参考にはしました」

色合いは参考にしたとしつつ、「オリジナルであることに変わりない」と強調。思わぬ形で注目を集めたアザーワールドですが、今後どのように独自の魅力を築けるか、真価が問われそうです。