交流事業で中国を訪れている自衛隊の中堅幹部が中国陸軍の部隊を視察しました。

事業を主催する笹川平和財団によりますと、自衛隊の中堅幹部13人は5日から中国を訪問し、首都・北京の防衛を担当する陸軍の部隊を視察しました。

また、軍のシンクタンクである軍事科学院を訪問。副院長の姚党ダイ中将は「世界の安定のため日中関係の安定が重要だ」との認識を示したほか、「人的交流を続けることが日中関係の安定につながる」との指摘もあったということです。

今回の訪問に同行した日本財団の尾形武寿会長は7日、「自衛隊と中国軍が交流し等身大の中国を見てまわることで相互の理解を深めることができた」と交流事業の意義を強調しました。この事業は、日中の安全保障分野の交流促進や信頼醸成を目的に2001年から行われていて、これまでに自衛隊と中国軍の中堅幹部およそ460人が参加しています。

7月には、中国軍の代表団が日本を訪れる予定でしたが延期になっていて、尾形会長は、「来年3月以降のできるだけ早い時期に日本を訪問してもらいたい」と述べ、相互往来を続けていく考えを示しました。

今月1日には、マレーシアで小泉防衛大臣と董軍国防相が会談し、「あらゆるレベルでの対話や交流の強化が重要である」ことで一致しており、今後、日中の間の交流が加速するのか注目されます。