大阪・ミナミを舞台にした地面師詐欺事件。不動産会社の代表になりすました男に懲役4年6か月の判決です。

 判決によりますと、粂陵平被告(25)は去年、不動産会社の代表になりすまし、この会社が所有する大阪・ミナミの建物3棟と土地を別の不動産会社2社に売却し、計約14億5000万円をだましとりました。

 これまでの裁判で粂被告は起訴内容を認め、検察は「ギャンブルなどで借金を抱え、地面師詐欺とわかっても犯行に及び、利欲的かつ身勝手な動機に酌量の余地はない」などと懲役6年を求刑していました。

 11月6日の判決で、大阪地裁は「巧妙な手口による計画的で悪質な犯行であり、犯行に関与することになったきっかけも身勝手で非難を免れない」と指摘、一方で「詐欺の全容を知った上で主体的に犯行に関わったわけではなく、共犯者から脅されて関与を続けざるを得ない面があったことは否定できない」などとして懲役4年6か月を言い渡しました。