東日本大震災の津波で銀行員の長男を亡くした遺族が企業防災について講演し、従業員を守る安全管理の大切さを訴えました。

田村孝行さん:
「みなさん、会社組織で従業員の命を守るための仕組みとか態勢はできているでしょうか」

講演したのは、一般社団法人「健太いのちの教室」の代表理事、田村孝行さん(65)です。会場には、建設会社や介護事業所などからおよそ70人が集まりました。田村さんの長男、健太さんは2011年3月11日、勤務していた七十七銀行女川支店の屋上で津波にのまれ亡くなりました。
田村さんは、走って1分の場所にあるより安全な高台に逃げていれば助かっていたと訴え、これまで語り部や講演活動を重ねてきました。講演では、日頃の訓練に加え、社内の風通しを良くしておくことで災害時も柔軟な対応が可能になると呼びかけました。

田村孝行さん:
「従業員の命を守るためにはあらゆる知恵を出し合った計画と日常的な訓練、人命最優先の意識が必要だと思う」
参加者:
「自分の従業員がいればしっかり守っていく、自分の命もですが、しっかり取り組んでいかないといけない」
この講演会は、災害などに備え決めておく事業継続計画=BCPの策定を多くの企業に呼びかけようと宮城県が企画しました。














