行政指導後も“災害対策”は行われず

しかし、それから4か月が経った10月の段階では、土砂の流出を防ぐ柵や、伐採された木の仮置き場はまだ設けられていないように見えます。

地元の住民からは…

川の山と川と海を守る会 勝又國江 代表
「防災施設もできてない。台風シーズンで大雨が降ったりしたらどうなっちゃうんだろう。土砂災害もどういうふうに対応するのか」

こうした状況について、専門家は…

東京都市大学環境学部 佐藤剛 教授
「大雨が降った場合、斜面が崩れて、水と土砂が混ざり合って、木も巻き込んで斜面の下方に移動して、これを土石流と言うが、家とか道路とかがあると災害に繋がっていく」

佐藤教授はさらに、伐採された“木の根”にも注目します。

木の根は、地中で土と複雑に絡み合い土砂が動くのを抑えています。しかし、木を伐採すれば、根が数年後に腐ってしまいます。すると、この土を抑えていた力が弱まり、斜面が崩れやすくなるというのです。

東京都市大学環境学部 佐藤剛 教授
「長期的な視点でこの斜面を見ていく必要があると思います」

では、災害対策について事業者はどう考えているのか。JNNが事業者を訪ねたところ...

事業者の弁護士
「現在、取材に答えることはありません」