けさ、南陽市でクマの警戒に当たっていた市の職員がやぶから出てきたクマに右手を引っかかれ、骨折する大けがをしました。

警察や南陽市などによりますと、きょう午前6時45分ごろ、市内長岡の長岡南森遺跡の南側で、クマを警戒しパトロールをしていた市の58歳の男性職員が突然、やぶから出てきたクマに右手を引っかかれました。男性職員は病院に搬送され、右手開放骨折の大けがをしました。命に別状はないということです。
現場近くの赤湯小学校では先月29日、クマが玄関のドアガラスを破壊していて、市では早朝と夜間に周辺をパトロールし、警戒していました。

その赤湯小学校から南東におよそ500メートル離れた現場のやぶには折れた柿の木があり、職員2人で周辺を調査していたところ1人が襲われたとということです。
けがをした職員と一緒に調査していた山口農林課長は当時の状況について次のように話しました。
けがをした職員と一緒にいた南陽市農林課・山口広昭課長「柿の食害で枝が折れているか確認しているときに、急にクマが出てきたという印象になる。手でかばったというような形と見受けている。一緒に一つの方向を見ていたわけではないので、その間の確認まではできなかったが、被害の職員の声を聞きましたので、私がその職員の方を振り向いて、大声をたててクマを追い払った。」
クマは体長1メートル位で、職員を襲った後、遺跡の方向に逃げました。
このため、猟友会が箱わなを仕掛けたほか、消防が熱を感知するドローンを飛ばしてクマの捜索を行いました。

南陽市の白岩孝夫市長も現場を訪れ、捜索の様子を見守っていました。
南陽市・白岩孝夫市長「猟友会、警察、消防 色々な方に協力してもらってますけど、いったん街中に出て隠れられるとこれだけ対応が難しのかと。普通の市町村だけでの対応はやっぱり難しいのかなと気がする。」
ドローンによる捜索はやぶが深くて熱探知が難しく、午後1時過ぎにドローンによる捜索は終了しました。
現場では金属製の盾を持った警察官らが警戒する様子も見られ、物々しい雰囲気に包まれていました。市では付近の住宅に注意喚起のチラシを配布したということです。

近所の人は「こんもりした山があってその陰に前回(クマが)来た。柿の木があるし、柿の木を狙ってきたんじゃないかと。(いつも)出歩いていることが多いからちょっと怖い。」
午後6時現在、クマは箱わなに入っておらず、市ではあす朝、付近に設置した合わせて3基のわなを確認するということです。

今年、県内でクマによる人身被害は10人になります。














