東日本大震災が起きた時、指定避難所ではなかったものの多くの地域住民が身を寄せたのが、宮城県東松島市にある石巻西高校です。避難所を運営したのは教職員たちで、その一人、齋藤幸男さんは「震災」の経験とそこから得た教訓を語り継ぐ活動をしています。

■防災士として活動する元高校教頭、齋藤幸男さん

東松島市の石巻西高校にある震災モニュメントを眺める男性、齋藤幸男さん(68)です。11年前、この高校の教頭でした。

齊藤幸男さん:
「なんか背中を押されるような感じがしますよね。ここに来ると。亡くなった子どもたちの名前があるので、見るたびに、自分の気持ちを取り戻すきっかけになっている」

2015年に教員を退職し、現在は、防災士として活動する齋藤さん。この日は、仙台二華中学校で、防災教室を行いました。

齊藤幸男さん:
「災害が起きた時、自分を見失うと動けなくなる」

全国を飛び回り、震災の経験やそこで得た教訓を語り継いでいます。

齋藤幸男さん:
「学校の中で命と向き合う教育をどう進めるか、それがこれから大事になると思って、命と向き合う防災教育の活動をしている」

11年前のあの日。齋藤さんは石巻西高校の教頭として、未曾有の災害に直面しました。