JR東海は10月29日、リニア中央新幹線の品川ー名古屋間の全体の工事費が、これまでの計画から約4兆円増加し、11兆円ほどになるとの見通しを明らかにしました。

JR東海の丹羽社長は「重く受け止めている」と話しました。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「今回、品川ー名古屋間の総工事費が11兆円となったことについては、重く受け止めているところでございます」

JR東海の丹羽社長が29日の会見で言及したのは、リニア新幹線品川ー名古屋間の総工費についてです。

JR東海はこれまで総工費を7兆400億円と見込んでいましたが、建設資材や労務費などの高騰で2.3兆円、トンネルの難工事で1.2兆円の増加などを受け、全体の工事費が約4兆円ふくらみ11兆円程度になると明らかにしました。

<丹羽社長>
「当社としては、今回の工事費の増加を受けまして、今後プロジェクトの管理機能を強化するとともに、業務改革および収益の拡大により、経営体力の一層の強化に取り組んでまいります」

一方、静岡県庁では29日、環境への影響などを議論する県の専門部会が開かれました。会議では、工事で発生する有害物質を含んだ「要対策土」を無害化する処理方法や置き場の候補地である「藤島」での対策について意見が交わされました。

<平木省副知事>
「要対策土の処理については非常に難しい課題で、1つ1つの案件をクリアしないといけない。内容的には1歩、2歩と進んだのではないかと評価している」

開業時期についてJR東海は「見通しが立っていない」としています。