キンモクセイの開花が遅いのはなぜ?

生物の生態などに詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

ー岡山市中心部ではキンモクセイの開花が例年より遅いようです。一方、同じ岡山市内でも少し北のエリアではすでに終盤を迎えているようです。

東洋産業 大野竜徳さん

「岡山市中心部ではそこまで咲いていないようですが、少し北のあたりはすでに開花して終盤を迎えているのですね。

植物によって開花のタイミングは異なりますが、キンモクセイの開花には主に2つの生理的なステップがあります」

①花芽分化(花芽の形成)

「キンモクセイは8月上旬ごろに、枝先で花芽が形成され始めます。このタイミングで今年の花の数が決まります。このときの環境条件が非常に重要です。

気温が高すぎたり、窒素肥料が多くて栄養成長が盛んな状態だと、植物は「今は花を咲かせる時期ではない」と判断し、花芽分化が遅れたり、形成自体が抑制されることがあります。

つまり、成長優先モードのまま秋を迎えると、花の準備が間に合わなくなるわけです」