人命救助を求める通報者との緊迫のやり取りを東京消防庁が公開しました。活用されたのは、「Live119」と呼ばれるスマホでけが人や病人の映像を送る新システムでした。
指令室員
「そのまま心臓マッサージ続けてください。(頭は)その位置で大丈夫なので、まっすぐ押していきましょう」
通信指令室で指示を出す東京消防庁の職員。その目線の先にあるのは、仰向けでぐったりと横たわる高齢の男性を写した映像です。
実はこちら、現場からリアルタイムで送られてきていたもので、撮影しているのは通報者です。
指令室員
「(AEDの)アナウンスの指示通り離れてください」
このとき活用されたのが「Live119」と呼ばれる、119番の通報者にスマホを使ってリアルタイムでけが人や病人の映像を送ってもらうシステムです。
東京消防庁ではおととし9月に運用が開始されたもので、職員が必要だと判断した場合、通報者のスマートフォンにURLを送信。アクセスすると自動でカメラが起動され、指令室内のモニターとつながり、職員とやりとりできる仕組みです。
指令室員
「頭ぶつけて血が出たりしてないですか」
通報者
「どさって聞こえて、振り向いたら倒れてて」
このシステムを使って今年9月、世田谷区の路上で突然倒れ心肺停止状態となった70代の男性の救命に尽力したとして、東京消防庁はきょう、会社員の山本修史さん(36)ら4人に感謝状を贈りました。
男性(70代)はその後、社会復帰できるまでに回復しました。
会社員 山本修史さん
「『こういう状況も本来伝えなきゃいけないのに』とか、そういうのがないかという不安があったと思うので、あれ(Live119)があって本当に助かったというのは覚えてます」
「Live119」は現在、全国65の消防本部で活用されていて、東京消防庁は「広く知ってもらい人命救助につなげたい」としています。
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