仙台市博物館で開催中の特別展「徳川十五代将軍展」。
初代から十五代までが勢ぞろいしている甲冑についてシリーズで見どころをお伝えします。3回目は、三代・徳川家光です。

初代家康のあとおしで将軍となった三代・家光の「紺糸威具足(こんいとおどしぐそく)」。装飾の少ない鉄板をつないだ堅牢なつくりが特徴です。

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兜と胴には鉄砲で撃った生々しい痕が……。

これは、試し撃ちの際にできたものです。将軍の甲冑にわざわざ鉄砲の痕をつけることは何を意味していたのでしょうか。

仙台市博物館・小田嶋なつみ学芸員:
「(当時は)特に珍しいということではない。銃弾をはじくぐらいの強度がある。ほかの具足でも使われているもの」

試し撃ちの痕は、将軍の甲冑が頑強であることの証明だったのです。家光が将軍の座に就いたのは、豊臣家を滅亡させた「大坂夏の陣」から8年後。まだ戦が隣り合わせだった時代の息遣いが感じられる、重厚な甲冑です。

家光はその後、参勤交代の制度をつくって諸大名を従わせ、天下泰平の世を確実なものにしました。













