(大石邦彦論説室長)
船出した高市政権。コメ対策は今後どうなるのか。一言でいうと“小泉前農水大臣の前の状況”に戻りそうだということなんです。

石破前総理は増産に舵を切ったが…

江藤農水大臣の辞任から緊急登板した小泉前農水大臣の在任期間は5か月だったんですが、その間に日本の農政は大きく変わりました。石破前総理は「コメ生産量に不足があったことを受け止め、増産に舵を切る」と言いました。

コメ不足による価格高騰の反省をして「増産しますよ」と言ったわけですね。半世紀にわたって事実上続いてきたのが「減反政策」。これをやめて現場に増産を指示した。これは農政の大転換です。

そして小泉前農水大臣は、コメ市場を「じゃぶじゃぶにしていかなきゃいけない」という話をしました。そうしないとコメ価格は下がらないと。なので随意契約などの備蓄米もどんどん市場に投入していったということです。

確かにコメ価格は一旦下がりました。スーパーの小売価格でいうと5キロで3500円台ぐらいまで下がったんですけれども、これいまどうなっていますか?ちょっとまた値上がってきています。5キロで4200円台まで上がって、高止まりしているということです。

そして主食用のコメ、これも増やさなきゃいけないということで、農林水産省HPによりますと、2024年度は679.2万トン。それと比べて今年度(9月25日時点の予想収穫量)は747.7万トン。68.5万トンの増産となっています。