静岡県磐田市の消防本部は地元の大学やベンチャー企業と協定を結び、全国で初めてのある取り組みを始めました。最新技術を用いて消防職員の健康と身体機能を向上させるのが狙いです。
10月21日に行われた調印式。
磐田市の消防本部が、静岡産業大学とヘルスケアを得意とするベンチャー企業「Canvas」と消防職員の健康と体力に関する協定を結びました。目的は、消防職員の健康維持や身体機能の向上です。
<磐田市消防本部 高尾正博消防長>
「静岡産業大学にはスポーツ科学の専門知見を、また、Canvasには最新のデータ収集と解析技術を活用させていただくことで、先進的で画期的な取り組みに挑戦できるようになった」
協定では、職員の身体機能などを分析し、メンタル状況を数値化。科学的に分析されたデータからそれぞれの職員にあった訓練のメニューを提案します。
<静岡産業大学スポーツ科学部 中井真吾教授>
「健康経営というキーワードとスポーツ科学で、持続的で安全な消防組織の未来作りにつなげていきたい」
屈強なイメージのある消防職員。なぜ、いま健康維持や身体能力の向上なのか。消防本部が職員に対して行ったアンケートでは、約7割が腰痛の経験があるといいます。
さらに、地方公務員の定年年齢の引き上げで、今後、60歳以上の職員も現場での活躍が求められます。そこで今回の協定締結となりました。
<高尾消防長>
「トレーニングの目的と効果、それに伴うトレーニング方法がセットで職員に届くというのは、非常に大きいと思います」
今後、静岡産業大学では消防職員に特化した体力測定プログラムなどの開発も進めていきたいとしています。