過疎やコロナ禍に負けず、地域の人達が伝統を守り続けています。

山梨県南アルプス市、櫛形山の中腹にある高尾集落の穂見神社。

11月22日。年に一度の夜祭の日です。

穂見神社は平安時代から1000年以上の歴史を持つ神社ですが、高尾集落は人口減少が続き、現在ここで暮らすのは数軒です。
祭りは麓に住む人たちで作る崇敬会によって運営されています。


穂見神社崇敬会 古矢昌史理事長:
この地区というものがないので、あくまでも皆ボランティアの人たちにお願いして手伝ってもらって、やっとこの日を迎えられた。大勢いらっしゃるので、その人たちに対して少しでも気持ちに応えられるようにしていけたら。

神社の神楽殿で太々神楽が始まりました。コロナ禍で中断していたため、3年ぶりの披露です。
この神楽は10年ほど前、人口減少で存続の危機にありました。

穂見神社崇敬会神楽部 穂坂高史さん:
高尾から派生したところから手伝いに来てもらい舞ってもらったりしたこともありましたが、今復活というか。

穂見神社から伝わったという県内各地の神楽に携わる人たちが支え、乗り越えたのです。

日が暮れると麓の曲輪田地区に多くの人が。

昔の参拝を再現するちょうちん行列です。こちらも3年ぶりの開催。標高差500m以上、真っ暗な山道を歩き、神社を目指します。

ロープを頼りに登るところも。
このころ、夜祭は最高潮に。

神社に続く林道が渋滞します。

参拝者のお目当ては独自の風習「資本金貸し」。

神社は商売繁盛の神として信仰され、借りたお金を翌年倍にして返すかたちでしたが、現在は2000円を納め1000円とお札をもらうというシステムです。


参拝者:
もう40年くらい縁起もかねて。高尾でお金を借りてきたおかげかなと、たまにいうときもある。


ちょうちん行列の参加者は山の中に残された信仰の痕跡を見ながら進んでいます。

参加者:
歴史があるんだなと思いました。昔の人はすごいなと思いました。

参加者:
ちょうちんだけでこの山道を登るなんて本当にすごい。

歩き始めて3時間、穂見神社に到着です。


参拝者:
(鳥居を見て)あっ、本当だ、赤い、鳥肌たった。綺麗。

古矢昌史理事長:
僕の思っていた想定をはるかに超えた人たちが来てくれて本当にありがたい。

3年ぶりの本格開催となった高尾の夜祭。

夜が更けても祭りは続きました。














