去年9月、三川町の住宅に侵入して女性を殺害したとされる男の裁判員裁判が、きょうから始まりました。
男は当時について「飲み過ぎたせいで覚えていない」などと話し、殺人と住居侵入の罪について、起訴内容を否認しました。

殺人や住居侵入などの6つの罪に問われているのは、三川町横川新田の無職石川一馬(いしかわ・かずま)被告(29)です。

起訴状などによりますと、石川被告は、去年9月22日の未明に三川町横山の阿部祥子さん(当時90)の家に侵入し、阿部さんの頭や胸などを殴ったほか、足で踏みつけたり首を絞めつけたりするなどして殺害した罪に問われています。目的は金品を盗むためだったとされています。

きょうの初公判で石川被告は当時について「飲み過ぎたせいで覚えていない」などと話し殺人と住居侵入の罪について、起訴内容を否認しました。

今回の主な争点は「当時石川被告に責任能力があったか」という点と「殺害は過剰防衛にあたるか」という点です。

冒頭陳述で弁護側は「石川被告は当時、泥酔状態で、被害者の家を自分の家と認識していた」「暗闇で女性の声が聞こえ、思わず殴った」などとして責任能力はなく、殺意もなかったとしました。

一方、検察側は、「被害者の家のガラスを意図的に割り侵入していて、自宅と間違える余地はない」「飲酒の影響を踏まえても完全責任能力はある」などとしています。
裁判はあすも行われます。