岩手県内ではクマによる人身被害が深刻化しています。
15日時点で2025年度、クマに襲われて亡くなった人は3人に上っていて、県の記録が残る1984年以降で最多となっています。
16日には北上市の温泉施設の男性従業員が行方不明となり、翌日に現場付近でクマ襲われたとみられる成人男性の遺体が発見されました。
クマの駆除にあたった猟友会関係者や専門家のほか、観光への影響を取材しました。

16日午前、北上市和賀町にある瀬美温泉の露天風呂で従業員の60歳の男性が行方不明となりました。

男性は1人で清掃をしていたとみられ、施設関係者が確認しに行ったところ男性の姿はなく、露天風呂の周囲には血痕と散乱した清掃道具とスリッパやメガネが残されていました。
また備え付けられた高さおよそ1メートルの柵に十数本のクマの毛が付着していたこと、血痕が柵の外まで続き、外側にも清掃用の網が落ちていたことから、警察はクマと遭遇した男性が争った末に連れ去られたとみて北上市や地域の猟友会と周辺を捜索。

翌日午前に現場から夏油川を挟んだ北西に50メートルほどの雑木林で、損傷の激しい成人男性の遺体を発見。
身体的な特徴や衣服などから遺体は行方不明となった男性の可能性が高く、警察がDNA鑑定を行って身元の特定を急いでいます。