全米でおよそ700万人が参加したトランプ大統領への抗議デモ。アメリカ第三の都市シカゴでは移民政策をめぐり緊張が高まる中、移民に連帯を示す動きも広がっています。

プラカードを手にタイムズスクエアを埋め尽くす人々。18日、全米2700か所以上で「王様はいらない」とのスローガンを掲げたデモが行われ、参加者は強権的な姿勢を強めるトランプ大統領に抗議の声をあげました。

参加者は全米でおよそ700万人。中西部イリノイ州のシカゴでは20万人以上が集まったのですが、参加者から聞かれたのは移民に対する取り締まりへの批判です。

メキシコ系アメリカ人
「家族や友達のために声を上げています。政権が人種差別的な捜査をしているので、(捕まらないよう)パスポートを持ち歩いています」

シカゴでは先月からトランプ政権が不法移民の摘発を集中的に強化。イリノイ州周辺では1500人以上が拘束されました。

政府が公開したこの動画には、当局が突然路上にいた男性を追いかけ身分を確認することもなく拘束する様子が。アメリカの市民権を持っているにもかかわらず、主に中南米系の人が拘束される事例が相次いでいて、住民らは抗議活動を展開しています。

一部のデモ隊が警察などと衝突すると。

トランプ大統領SNS
「(知事は)移民捜査局の職員を守れなかった罪で刑務所に入るべきだ!」

トランプ氏は治安維持を理由に、州知事の反対を押し切ってシカゴへの州兵派遣を承認。その後、派遣は一時差し止めになったものの、トランプ氏は「反乱法」を発動して州兵を派遣する可能性を示唆するなど緊張が高まっています。

そんななか…

記者
「お店の入り口には紙が貼られていまして、『移民当局は入店お断り』と書かれています」

市内では標的となっている中南米系の人々へ張り紙を使って連帯を示す店が多く見られたほか、捜査官が現れたタイミングなどの情報をリアルタイムで共有しているサイトもあるということです。

張り紙を掲示した店の店主 キャサリンさん
「当局は中南米系の見た目だというだけで拘束します。張り紙をすることで近所の人たちに安心してほしかったのです」

取材中、自分の置かれている状況を訴えたいと話すメキシコ系アメリカ人の従業員も。

メキシコ系アメリカ人の従業員 ダニエルさん
「正直本当に怖いです。ちょっとした外出にもパスポートを持ち歩かなければいけません。こんな状況はおかしくないですか?」

店には脅迫するメールや手紙も来ているということですが、店主は抗議を続けるとしています。