その美しさから“泳ぐ宝石”ともいわれる『錦鯉(ニシキゴイ)』。海外での人気が高まっていて、政府は「輸出重点品目」に新たに錦鯉を追加しました。

中国や欧州で人気の錦鯉

 今年11月、日本有数の産地である新潟県で、年に1度の品評会が開かれ、生産者が丹精込めて育てた自慢の錦鯉が出品されました。

 (来場者)
 「びっくりしましたよ。横綱級ばっかりという感じやね」

 会場には日本人だけではなく海外からも多くの人が訪れていました。

 (ベルギーからのバイヤー)
 「(Q錦鯉は好き?)いっぱい好きです。一番です。まるで泳ぐ絵画のようです」

政府が「輸出重点品目」に追加

 政府は12月5日、イチゴやコメなど海外での評価が高く日本の強みがある「輸出重点品目」に新たに錦鯉を追加しました。海外での人気の高まりが理由です。数年前から中国や欧米を中心に需要が高まり輸出額は年々増加していて、2021年の輸出額は過去最高となる約59億円となりました。

 今回、日本文化の象徴でもある錦鯉を輸出重点品目に追加することで、政府は生産者や産地の支援を強化して、2025年には輸出額97億円を目標として世界進出拡大を目指しているのです。

中国人富裕層にとって錦鯉は『社会的成功の象徴』

 2019年に行われた錦鯉のオークションの様子。この日は客の7割が中国から来た人でした。中国人富裕層にとって錦鯉は『社会的成功の象徴』なのだといいます。

 (中国人から依頼されたバイヤー)
 「中国で鯉は縁起のいい幸運を呼ぶ魚で、ことわざもたくさんあります」

 オークションでは鯉は1匹ずつたらいに入れられ、台車に載せられてレッドカーペットを往復。その間に参加者はたらいを覗き込んで鯉の体形・模様・泳ぎ方をチェックします。この日ついた最高額は1匹1900万円で、落札したのは中国人の富裕層でした。

 (日本人の買い付け業者)
 「この値段すごいやろ。日本人では買えない」