AI=人工知能で生成した、優れた楽曲を世界中から選ぶ“未来の音楽賞”が初めて開催されました。準優勝したイギリス人の男性が語るAIと創造性の関係とは。
AI音楽賞で準優勝 ガリスさん
「この曲はブルースっぽいボーカルに、チルなドリルビートを組み合わせました」
イギリス・エセックス州に住むガリスさん(31)。かつてバンド活動をしていましたが、思うようにいかなかったところ、1年半前にAI=人工知能を使った楽曲作りに出会い、のめり込んだといいます。
AIでの楽曲制作、どういうものなのでしょうか。
記者
「フランススタイルで、寿司についての曲を作ってと指示を出しました。果たしてどうなるのでしょうか」
AIに2つだけ指示を出し、待つこと数分。
『♪ああ、海の幸と白米が織りなす寿司よ あなたは魅惑のひとときの詩をうたう』
一応、曲にはなりました。
一方、ガリスさんが3日かけ、AIに繰り返し指示を出して作った曲は、先月行われたAI楽曲の音楽賞「フューチャー・サウンド・アワード」で、500件以上の応募の中から2位に輝きました。
優勝曲はこちら、スコット・テンプルマンさんの楽曲「スウィーテスト・イリュージョン」。
いまAIで楽曲制作している人は世界で推計6000万人以上。今回のファイナリストの中には、脳を損傷したため楽器を演奏できなくなった人もいます。
フューチャー・サウンド・アワード審査員 ナルシス・マリンカットさん
「音楽を作りたいと思っていて、何らかの障害があって以前はできなかったとしても、AIが創造的な自由を与えてくれるんです。それが本当に素晴らしいことだと思います」
一方で、イギリスでは、著名なミュージシャンらがAI開発業者に著作権を侵害されるおそれがあるとして抗議の声をあげています。
今回の音楽賞では、権利処理済みのデータのみを学習させたプラットフォームの使用を条件としました。
また、AIが“人間の創造性を奪うのでは”との指摘もありますが、タトゥーアーティストとして活動するガリスさんは、その仕事にもAIが活かされていると考えています。
AI音楽賞で準優勝 ガリスさん
「(AIが)自分の仕事を奪うのではないかと恐れていました。でも、今ではAI画像なしでは生きていけません。タトゥーやアートにおける創造性が飛躍的に高まったんです。恐れる必要はないと思います」
なくてはならない存在になりつつあるAI。音楽の分野でも進化しそうです。
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