富山県内で大量出没しているクマ。すでに去年1年間を上回る345件の出没が確認されています。富山市の住宅敷地内では10日、カキの木を登ったとみられるクマの爪痕が見つかっていて、周辺では1か月前に自治会がクマのエサとなる樹木を伐採したばかりでした。

クマの痕跡を発見した住民
「爪痕ねほら。すごいでしょこれ」

カキの木に残されたクマの鋭い爪痕。その下には、クマが爪を立てて登ったような痕が。

10日午前7時ごろ、富山市楡原の住宅敷地内でクマの痕跡を見つけたと、住民の男性から市に連絡がありました。

市の職員と猟友会が現場を調べたところ、クマがカキの木に登った爪痕とふんを確認しました。

クマの痕跡を発見した住民
「ここ登ったんです。上に登って枝を折ってカキの実食べたりしてるんです。その辺で座って食べてたんじゃないかな。そこの枝も折ってるしね」

クマの痕跡があった場所は、ほそいり保育所の目と鼻の先です。

保育所周辺では9月12日、地元自治会がクマの出没対策としてエサとなる樹木の伐採を行ったばかりでした。

クマの痕跡を発見した住民
「ことしも本当は(カキの木を)切ろうかなと思ったりしてたんだけど、だんだん私自身も年いったりするんで躊躇してたんですけど、もうこれだけ(クマが)来たら来年の春は切らんとだめかなと思っています」

一方、立山町では─。

高島未帆記者
「立山町にある介護施設の駐車場です。クマはこちらの竹やぶの中に入っていったということです」

10日午前7時半ごろ立山町末上野にある特別養護老人ホーム「竜ヶ浜荘」の駐車場で、クマ1頭を目撃したと近くに住む人から警察に通報がありました。

クマは職員駐車場から竹やぶの中へ入っていったとみられ、警察や地元猟友会が捜索しましたが、クマは見つかりませんでした。

連日、県内で相次ぐクマの出没。県によりますと10日午後4時の時点でクマの出没件数は345件に上り、去年1年間の333件を上回っています。

県自然保護課は「戸締りをしっかりするとともにカキの実などクマのエサとなる誘因物を庭から取り除いてほしい」と注意を呼び掛けています。