静岡県沼津市で酒店を営む大川さんと、看板猫のコタローくんです。大川さんの店では長年、猫を飼ってきました。

<大川りえこさん>
「お手洗い・トイレで困ることがあります。梅雨の時期とか、湿度が高いときは、においが気になりますね」

コタローくんも興味津々なにおい対策をしたトイレの砂。

これまで捨てられてきた茶殻に新たな価値を見いだし、ペット用品に生まれ変わらせた「ニオイが気にならない砂」です。新しいトイレの砂を開発したのは静岡県富士市にあるペット用品メーカーの「コーチョー」です。

<コーチョー 渡邉俊副社長>
「こちらをご覧ください、中身のお茶色の部分にたっぷりと茶殻を入れております」

この色が濃い中心部が静岡茶の茶葉です。緑茶に含まれる「カテキン」がアンモニアなどのトイレの悪臭となる成分を吸着して、中和します。

<コーチョー 渡邉副社長>
「商品の特長として、重曹とクエン酸を外側にまぶしています」

粒の表面の白い部分には▼アルカリ性のにおいを中和する「クエン酸」、▼酸性のにおいを中和する「重曹」、さらに▼抗菌作用がある「銅イオン」を含ませ、消臭効果を発揮する仕組みです。

水を落とすと30秒ほどで水分が固まり、使用済みの部分は緑色になります。

<コーチョー 渡邉副社長>
「これはカテキン成分のにおいなので、消臭がこれからどんどん進んでいきます」

ここは、茶殻が運び込まれる専用の搬入ヤードです。複数のトラックが一度に入ることが可能です。

<コーチョー 渡邉副社長>
「これで3トンの茶殻になります。静岡県には多くの飲料メーカーがあって、工場からから出てくる茶殻なので。静岡県の茶殻が焼却処理されているという現実を知り、これを解決したいということで茶殻から猫砂を作ろうと」

県内では、お茶飲料の製造過程で抽出を終えた大量の茶殻が排出されます。一部は家畜の餌や堆肥に使われますが、焼却や埋め立てで大量に処分されています。コーチョーは、廃棄物の茶殻を生まれ変わらせる、アップサイクルすることを決めました。


「我々はヒノキやオカラの猫砂の製造を10年以上続けています。茶殻を試作してみたところ非常に消臭効果が高いことが分かり、製品化したいと考えました」


「茶殻の猫砂、違いを感じますか?」


「いいにおいなんです。お茶なのかな。自然の香りというか、においを付けたにおいではない、芳香剤ではない自然な香りが」

廃棄物だったお茶殻。猫と飼い主の快適な暮らしをサポートする大きな力となっています。