福島県に何度も訪れた竹久夢二さん。
特に会津若松市の東山温泉には、1ヶ月以上も逗留して絵を描いた。

岡山県出身の夢二さんにとって、会津は郷愁に駆られる風景だったのかもしれません。

大正10年8月。竹下夢二さんは会津若松駅に降り立ちました。

会津史談会の会誌「会津史談」56号(1982年発行)に、出迎えた人の話が載っています。
「それは大正10年8月初旬のことである。真夏の夕日を背にして夢二は会津若松駅に下りた。さっぱりした薩摩上布(じょうふ)を着て、洗練された都会人のにおいがした。」(「夢二と会津」坂井正喜著から)。

当時、竹久夢二さんは美人画をはじめ、本の挿絵や千代紙のデザインなどで大人気。夢二さんが訪れると、新聞の記事になるほどでした。

そんな竹久夢二さんが、会津の東山温泉に滞在中に東京の留守宅に送った小包には、「うまいもの」として喜多方市塩川町の奈良屋が作る「ここのへ」が同封されていました。「ここのへ」は、会津伝統のお菓子。あられに柚子風味の糖衣を絡めたお菓子です。

湯呑みに「ここのへ」を入れてお湯を注ぎます。
すると糖衣が溶けて浮き上がります。

いただくと柚子の香りと上品な甘みが口に広がります。

夢二が好んだ「ここのへ」をいただいてみませんか。

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