北朝鮮は、大陸間弾道ミサイル「火星17号」を発射した際、最高指導者・金正恩氏が第2子「キム・ジュエ氏」とともに現れた映像を公開しました。これまでベールに包まれていた、ロイヤルファミリーの一員である娘を突然公開した狙いについて、龍谷大学の李相哲教授は「特別な存在のロイヤルファミリーがミサイル発射をお祝いにきたという国民向けのメッセージでは」と話します。

ベールに包まれた正恩氏の第2子紹介「ロイヤルファミリーは特別な存在」

ーー金正恩氏の第2子・ジュエ氏の10歳前後の頃の映像や写真などが公開されました。しかし、正恩氏には第1子とされる12歳前後の子ども、第3子とされている5歳前後の子どももいると言われています。なぜこのタイミングで第2子を公の場に紹介したのでしょうか?
「火星17の開発が正当なものであり、次世代の姿を象徴し、金正恩一家はロイヤルファミリーであるという、演出や意図が隠されているのではないかと思われます。まず核開発は、次世代の子どもたちに対してとても大事なもので、安全を保障するものだという意味合いも込められてます。もう一つは、ロイヤルファミリーは特別な存在で、その人たちがお祝いに来たという、雰囲気を醸し出すような狙いもあったと思います。国内向けのメッセージが大きいですね」

ーージュエ氏は後継ではないとの見方もあるようですいかがでしょうか?
「後継者だとすれば、この時点では本来、公には出さないんですよ。金正恩氏はまだ40歳になってないんですよ。もし今、後継者を出してしまったら金正恩氏が健康上何か問題があるのかと思われる可能性もあり、権力が分散し敬意が低下する恐れもありますので、そういうことはしない。逆に後継候補がいたとすれば、隠すんじゃないかと。ですから、第1子が本命で、娘を連れてきたのはあくまでロイヤルファミリーまで出てきてお祝いして、とてもすごいことなんだという演出でもあったと思います」


核開発は「絶対にやめることはない」

ーー核開発は着実に進んでるということなんですか?
「今回、娘まで連れてきたのは、次世代にも核兵器を持つんだという強い意志を示したとも読めるんですね。ですから絶対やめることはないです」
(2022年12月2日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)