西日本に1匹しかいないというシロアリ探知犬が、熊本市の文化財を調査しました。

シロアリの駆除や予防をする会社「ニッショウ化学」は、熊本県内の文化財を対象に無償で調査しています。

さっそく出動したのは、シロアリ探知犬「リッキー」です。

「人がいっぱいおるね、リッキー」

「ワンッ!」

リッキーは2歳のオス。東京で1年半訓練をして、今年1月に調査を開始しました。明治時代に夏目漱石が3か月ほど暮らしたという旧邸で、建物の外周をまわりながらシロアリを探します。

「シーク(探せ)!シーク!シーク!」

リッキーは、人間ではわからないシロアリが発するフェロモンに反応し、教えてくれます。

するとリッキーが立ち止まり、ふせました。

「どこ?どこ?リッキーここ?」

反応した場所を改めて人間が確認します。

リッキー担当 冨田佳介さん「表側にはいませんので、内側、土中、木の根っこなどにリッキーは反応したのではないかと思います」

全国に3匹しかいないというシロアリ探知犬は、人間には入れない場所でも調査が可能で、嗅覚による調査のため、建物に傷をつけることがありません。

今日(10月6日)は4か所で反応があったということで、見事、任務を果たしました。そんなリッキー、人もカメラも大好きなんだとか。

「リッキー、シロアリいた?」
「リッキー、カメラこっちだよ」

ニッショウ化学 冨田博之社長「リッキーを使っていただいて、建物を維持管理できる一つの道具・ツールにしてもらえれば」

人懐っこく愛らしいリッキー。これからも、その鋭い嗅覚で文化財を守ります。