牧草だけじゃ、だめだゾウ
熊本市動植物園 ゾウ飼育担当 平瀬早人さん「牧草ばかり与えている園はゾウが肥満や下痢になることがあるが、うちはあまりないですね。いっぱい食べるけれども」

動植物園のゾウは40年ほど前から阿蘇の野草を食べています。
当時の担当職員が「より自然の食べ物に近付けたい」として与え始めたのがきっかけです。
ほかの多くの動物園では、飼料用に栽培された牧草を与えていますが、牧草ばかり与えると栄養価が高すぎたり、消化をし過ぎたりして腹を下し、体調を崩すこともあるそうです。

そのため、全国の動物園から問い合わせがあるのだとか。
平瀬さん「ゾウは栄養が低く繊維質のものをたくさん食べて体を維持する動物なので、野草をあげることは良いこと」
2頭が食べる野草は1日80キロ。1年で約30トンに上ります。草原の広さにすると、1年で約6ha分。熊本市にある野球場「リブワーク藤崎台球場」の敷地と同じ広さの野草を食べています。

野草の供給地である阿蘇が近いため実現できている取り組みですが、阿蘇の草原にとっても、安定的に野草を食べてくれることで維持につながっているといいます。
平瀬さん「全国に誇れる環境です」